Webサイトに“動画を置くだけ”では意味がない?

なぜ「動画を置くだけ」では成果がないのか?

動画を導入しても「視聴されない」「途中で離脱される」「CVにつながらない」と悩む企業は少なくありません。その原因の多くは、“どこに”“いつ”動画を置くか、という設計がされていないことにあります。動画は置くだけでは効果を発揮しません。ユーザーの視線や行動心理をふまえた設計がなければ、むしろサイトのパフォーマンスを下げることさえあるのです。

ユーザーの“行動心理”とページ内の視線動線

ユーザーはWebページを上から下へ読むものの、全体を均等に見るわけではありません。特に、読み進める前に動画が表示されると「情報量が多すぎる」「操作が面倒そう」と感じ、離脱のきっかけになることもあります。逆に、ある程度テキストで内容を把握した上で、補足的に動画が登場すると「もっと詳しく知りたい」という気持ちが後押しされ、視聴率とCV率の向上につながります。

動画の“配置位置”による離脱率の変化

以下の表は、あるB to B企業のLPで動画配置をテストした結果の一例です(※マーケティングデータから傾向を抽出)。

動画配置位置 平均視聴率 ページ離脱率 CV率
ファーストビュー直下 22% 47% 1.2%
中盤(課題説明後) 43% 28% 3.6%
フッター付近 15% 52% 0.8%

中盤に配置された動画が、もっとも視聴され、かつ行動につながる傾向が見られます。これは、ある程度テキストで「問題提起」や「導入の背景」に共感したあとに、動画で解決策を提示する流れが機能しているからです。

 “自動再生”と“クリック再生”、どちらが有効?

自動再生は視聴開始のハードルを下げる一方で、「音が急に鳴る」「通信量がかかる」といった理由から嫌がられるケースもあります。とくにB to Bサイトでは、閲覧環境がオフィスであることを考慮し、“クリック再生+目立つプレイボタン”の方が、ユーザー体験としても好まれる傾向があります。また、サムネイルに「何がわかるか」を一言添えるだけでも、再生率に大きな差が出ます。

動画を活かすなら“設計図”が必要

動画は、ページ上での「起点」として、ユーザーの意思決定を後押しする重要な要素です。しかし、そのためにはページ構成全体との連動が不可欠です。最初に読むべき情報、共感を得るためのテキスト、その後に動画で補足する流れ。このように、“動画の役割”を位置づけることで、視聴 → 理解 → 行動という流れが自然に生まれます。

「とりあえず動画を埋め込んでおく」だけでは、成果は期待できません。ユーザーが何を求め、どのタイミングで情報を受け取りたくなるのか。その行動心理に沿った“設計”があってこそ、動画は本来の力を発揮します。配置場所・再生方式・タイミングの3つを最適化することで、動画はコンバージョンを高める有効な武器になります。

SNSでもご購読できます。