志望動機を“未来形”で語る時代へ|応募型ムービーの新潮流

採用活動における志望動機といえば、「なぜ御社を志望したか」という“過去”の理由にフォーカスするのが一般的でした。しかし、企業が本当に知りたいのは、応募者が「この会社でどんな未来を描いているか」という視点です。これを可視化する方法として、応募者が自身でスマホ撮影する“未来形志望動機ムービー”です。

応募型ムービーの企画意図とは?

企業側がこの形式を導入する狙いは、「志望度の高さ」や「価値観のマッチ度」をよりリアルに把握することです。文字情報では伝わらない表情や話し方、話の組み立て方を通して、採用の精度が高まります。また、企業の側も応募動画を素材に使い、広報やブランディングへつなげることが可能です。

比較項目 通常のエントリーシート 応募型ムービー
表現の幅 文字情報に限定 非言語情報も含められる
本音の引き出しやすさ 限定的 自然な口調が出やすい
ブランディング効果 なし 活用可能(許諾必須)

どう依頼する?撮影のポイント

「動画を撮ってください」と言うだけでは、応募者は戸惑います。そこで、企業側は以下の3点を伝えることが重要です。

  • 撮影時間の目安:60秒以内
  • 撮影形式:スマホの縦型動画
  • 話す内容:この会社でやりたいこと/なぜそう思ったか

自由度が高すぎるとハードルが上がるため、軽いテンプレートや例文を提示してあげると、応募者の負担も軽減できます。

採用だけでなく企業文化の“鏡”にもなる

これらの応募型ムービーは、単なる採用の判断材料にとどまりません。公開範囲を限定しつつ、社員間で視聴することで、「どんな人がこの会社に来ようとしているか」という共通認識を育てることもできます。これは、組織の文化や方向性を確認するひとつの手段にもなります。

注意点:応募者の心理的負担と公開範囲の扱い

一方で、動画提出は応募者にとってハードルが高く感じられることもあります。「話すのが苦手」「見た目が気になる」といった不安にも配慮し、あくまで提出は“任意”とし、評価軸を明示することが大切です。また、二次利用(広報など)については、応募者の同意を得ることが前提です。

「志望動機を“未来形”で語る時代へ|応募型ムービーの新潮流」では、応募者自身が撮影する“未来志向型”の動画が、採用活動に新たな視点をもたらすことを紹介しました。文字では伝わらない意欲や価値観を知る手段として有効なこの手法は、企業の採用スタンスを可視化する役割も担います。ただし、応募者への配慮と適切なガイドラインの提示が欠かせません。動画はあくまで可能性を広げるための手段であることを忘れずに、導入の判断を行いましょう。

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