取引先への「サンクスムービー」は営業活動になる?

営業活動と聞くと、提案書やプレゼン資料が主役と思われがちです。しかし、取引先との関係性を築くうえで「感謝の気持ち」を表現することが、実は強力な営業手段になることがあります。
感謝を伝えることは、信頼関係の土台を再確認し、今後の継続や新たな提案への地ならしにもなるのです。特に動画という形式は、「声」と「表情」で伝わるニュアンスが加わり、紙やメールよりも印象に残りやすいという利点があります。

サンクスムービーのポイント

サンクスムービーは、感謝を伝えるだけでなく、さりげなく自社の価値観や姿勢を示す場でもあります。以下のような構成がポイントです。

セクション 内容
冒頭 会社・担当者名と挨拶(シンプルに)
中盤 取引に対する具体的なお礼(事実ベースで)
終盤 今後の展望やつながりへの期待(売り込みにならない範囲で)

感謝の言葉は抽象的になりがちなので、「〇年間のお付き合いありがとうございます」「昨年度の〇件のプロジェクトでご一緒できたことを…」といった具体的な数字や事例を交えると、より伝わりやすくなります。

テンプレート化することで継続可能にする

取引年数ごとに動画の内容を変えるアイデアは、「定型+個別対応」のハイブリッド方式といえます。
たとえば、以下のような動画テンプレートが考えられます。

  • 【1年目】「出会いに感謝」型:はじめての信頼関係構築に重点
  • 【3年目】「継続に感謝」型:共に成長した実感を表現
  • 【5年目以上】「長期パートナー型」:ビジョン共有や未来への展望も加える

このようにカテゴリごとにテンプレートを用意することで、制作負荷を抑えながらも、受け手に「私たちのことを見てくれている」と感じさせることができます。

メール添付ではなく“専用ページ”で届ける手も

感謝動画は、ただ送るだけでなく「届け方」によっても印象が変わります。
たとえば、感謝ムービー専用のLPやWebページに動画を掲載し、そこに個別のメッセージや過去の取引履歴を掲載することで、“贈り物”のような体験になります。

図:感謝動画の配信チャネル比較

方法 特徴
メール添付 気軽だが、再生環境に依存する
専用ページ 演出・補足情報を含めて伝えられる
QRコード付きカード 手渡し時にも活用できる。展示会やイベント後にも有効

こうした一手間が、営業担当の印象を大きく変える可能性があります。

「サンクスムービー」は単なる感謝の表現を超え、関係構築や提案の土台として営業活動をサポートする力を持っています。取引年数に応じたテンプレート化、動画の届け方の工夫など、少しの仕組み化で継続的に運用できます。「感謝を言葉で終わらせず、形にする」という発想が、企業姿勢として伝わることが、動画戦略の本質なのかもしれません。

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