パンフレット、Web、そして映像。企業紹介の手段は進化を続けていますが、その多くが「自社目線」で作られています。
「我が社はこういう理念で…」「こんな実績があって…」という説明は、事実であっても、どうしても宣伝色が出てしまいます。
評価される理由は、他人が語る方が伝わる
つまり、「なぜこの会社と一緒に仕事をしているのか?」を取引先や協力会社が語るという構成。
サービス内容よりも、関係性や人柄、信頼感といった“見えない価値”が伝わるため、
営業資料や採用動画に流用しやすく、使い回しも効きます。
特に中小企業やB to B企業では、「数字より信頼」が重視される場面が多く、第三者の声は想像以上に響きます。
具体的にどうつくる?動画構成のポイント
この手の動画はインタビュー形式が王道ですが、いくつか工夫があります。
構成要素 | 内容例 |
導入 | 「最初に出会ったのは◯年前」など関係の起点 |
転機 | 協力を決めたきっかけ・迷いが晴れた瞬間 |
継続理由 | 今も頼りたいと感じる“人”の魅力 |
現場の話 | 営業や担当者の些細な対応エピソード |
未来への期待 | 今後どう一緒に進んでいきたいか |
スーツ姿の座談会ではなく、現場の空気を活かすロケ撮影や、字幕による補足も有効です。
語るのは取引先でも、“編集は自社の意図に沿って整える”ことができます。
なぜ共感されるのか?視聴者心理の変化
SNSやレビュー文化の影響もあり、現代の消費者・求職者は「他者の評価」に敏感です。
「この会社を選んだ理由」を他人が語ることで、視聴者は自分がその立場になったときのリアルを想像しやすくなります。
特に、採用向け動画では「社内の雰囲気」よりも「外から見た信頼感」に惹かれるという声も多く、候補者が入社後の関係性を具体的にイメージしやすくなるのです。
制作時に注意すべき点
この動画は、インタビューを依頼する時点で信頼関係が試されます。
・「言わされてる感」が出ないよう、無理な台本は避ける
・インタビュー相手に事前に方向性を共有する
・編集で過度に“美談”にしない
また、一社だけでなく複数社の声を組み合わせることで、視点の偏りを防ぎ、より多角的な印象を与えられます。
信頼は“他人の言葉”で生まれる
会社の魅力を自分で語るのもいいですが、信頼されている姿を「取引先の言葉」で可視化することで、営業・採用・広報のあらゆる場面で“空気感の伝わる”素材が生まれます。
過剰な演出ではなく、「ありのままの関係性」を映すこと。
それこそが、今の時代に響く動画の条件なのかもしれません。