会社紹介やサービス紹介の動画では、どうしても“企業の顔”として整えられた印象が前に出ます。しかし最近、視聴者が注目するのはその裏側で、出張先でのご当地グルメを語る動画。
営業社員が訪れた土地で「これは本当にうまかった」と語るだけの映像でも、見ている人にとっては「この人たち、ちゃんと現場に足を運んでいるんだな」という実感につながります。
“ごはん”を通じて見えてくる人の輪郭
たとえば、東京から福岡に出張した営業担当が、空き時間に立ち寄ったラーメン屋を紹介する動画。何を食べたか、なぜそこに入ったか、どう感じたか。
この何気ないやりとりの中に、その人の好みや人柄が浮かび上がります。
さらにそれが、「社内のあの人、こんなところに行ったんだ」という社内コミュニケーションのきっかけにもなることがあります。
“出張×地図”で伝わる活動の広がり
動画を単発で投稿するのではなく、「出張めしマップ」として地図上に可視化するのもいいでしょう。
以下のように可視化することで、単なる食レポが営業活動の証拠になります。
[図:出張めしマップのイメージ]
- 東京:立ち食いそば(Aさん)
- 大阪:お好み焼き(Bさん)
- 名古屋:味噌煮込みうどん(Cさん)
- 福岡:屋台ラーメン(Aさん)
※ 各地点に社員の動画リンクを設置
これは、「どの地域に訪れているか」がひと目でわかるだけでなく、地域密着のスタンスを示す材料にもなります。
演出より“素”の動画が響く理由
ナレーションや編集を加えすぎず、スマホ1台で撮ったような素朴な動画の方が、実は見られやすい傾向があります。
「しっかり作り込んだ動画」よりも、「ちょっとした旅の記録」のような映像の方が、視聴者との距離感を近づける効果があるからです。
カメラのブレも多少はOK。むしろ、完璧でないことが信頼感につながることもあります。
社外向けだけでなく、社内にも効く
この取り組みは、外部に向けたブランディングだけでなく、社員同士の理解を深める社内施策にもなり得ます。
「この人がこの地域に出張していたのか」「自分も今度ここ行ってみよう」など、部署を超えた交流のきっかけになります。さらに、営業部門の地道な移動や努力を可視化して共有する場にもなるため、社員のモチベーション維持にも効果があります。
全国各地での“出張めし”を語る動画は、ただのグルメ紹介にとどまりません。そこには、営業担当者のリアルな足跡、土地との接点、そして働く人の個性がにじみ出ます。
企業の動画に「人の気配」を加えたいなら、まずはスマホ片手にごはんを語るところから。地図でつなぐ「全国出張めしマップ」は、社外にも社内にも届く、地に足のついたコンテンツになり得ます。