士業・コンサル業の“顔が見える”動画戦略

従来、士業やコンサルタントの集客では「実績」や「資格」が前面に出されてきました。しかし、依頼者はそれ以上に「どんな人か」「話しやすいか」といった“温度感”を求める傾向にあります。専門性は大前提として、「安心して話せる存在かどうか」が選定の大きな基準に変わってきたのです。テキストや静止画だけでは伝わりづらいこうした感覚的な要素こそ、動画が得意とする分野です。

「紹介経由」だけに頼らない信頼構築

士業・コンサル業では、信頼がすべてといっても過言ではありません。だからこそ多くが「紹介経由」での集客に頼りがちですが、紹介以外の経路でも信頼を獲得する方法として、動画は大きな武器になります。

特に、自社サイトやYouTube、LinkedInなどで短尺動画を活用すれば、1対1で話す機会がない人にも「誠実さ」や「知識量」「姿勢」を印象づけることができます。

動画に向く“士業ならでは”の発信内容とは?

動画といっても、派手な演出は不要です。以下のようなテーマが自然で信頼性も高く、視聴者の不安を和らげます。

  • よくある相談事例(※実例ではなく類型で構成)
  • 相談の流れや、費用の目安
  • 対応可能なエリア・相談手段(訪問・オンラインなど)
  • 「なぜこの職業を選んだか」など、人柄に関わる話題

士業やコンサルの仕事は、「見えづらさ」が最大のネック。そこを、やわらかく可視化することが動画の目的です。

信頼感を生む構成

動画の構成はシンプルがベスト。「自己紹介」「相談できるテーマ」「一言メッセージ」などをテンポよく組み合わせ、1分〜1分半程度にまとめるのが理想です。

図:士業動画の基本構成

パート 内容の例
冒頭5秒 名前・肩書き+あいさつ
本編(40秒) 専門分野・対応業務の説明
終わり(15秒) 視聴者への一言+問い合わせ誘導

撮影時は、「背景に本棚や事務所風景を入れる」「ライトは明るめ」「話し方はゆっくり・丁寧」など、小さな工夫が信頼の積み重ねになります。

士業・コンサル業における動画の注意点

一方で、動画活用には注意点もあります。たとえば「過度に演出する」「専門用語が多すぎる」「一方的に話しすぎる」といった内容では、逆に信頼を損なうリスクがあります。あくまで“寄り添う姿勢”を忘れず、視聴者が安心できる語り口と内容に徹することが重要です。

士業・コンサル業は、「顔が見えない職業」だからこそ、動画によって“伝えられる安心感”が武器になります。
紹介だけに頼らず、動画という手段で人柄や姿勢を可視化することで、初対面の壁を自然に取り払い、信頼を育てることができます。
派手さより誠実さ。士業の動画は、そうした“等身大の発信”こそが鍵なのです。

SNSでもご購読できます。