かつては「採用動画」と「営業動画」は用途がまったく別ものでした。
しかし今、企業紹介の手間とコストを抑えながら、多用途に使える動画が求められています。
▼理由は以下のとおりです。
- SNSやWeb掲載など、発信の場が増えた
- 採用者も顧客も「会社の素顔」に関心を持っている
- 撮影コストや制作時間を合理化したい企業が増えている
つまり、「1本で2役を担える動画」が強く支持されるようになったのです。
「どちらにも通じる構成」とは?
二刀流の動画は、単なる会社紹介では成立しません。
採用希望者も、営業先も「目的」が違うため、どちらの視点もバランスよく取り入れる構成が必要です。
下記のような要素を組み合わせましょう。
項目 | 採用向け視点 | 営業向け視点 |
冒頭の語り口 | なぜこの会社が存在するのか | どんな社会課題を解決しているか |
日常シーン | 社員の働き方、オフィス環境 | 組織力・対応力が伝わる現場風景 |
実績・クライアント紹介 | 安心して働ける企業である証拠 | 実績に裏打ちされた信頼性の可視化 |
締めくくりの一言 | 「この会社で働きたい」に繋げる | 「一度話を聞いてみよう」と思わせる |
あえて“説明しすぎない”工夫
採用・営業いずれにとっても、情報の「余白」は重要です。
動画ですべてを語りきるのではなく、興味を喚起する内容であることが、視聴後のアクションを生み出します。
たとえば、
- 説明ナレーションは最小限にして社員の自然な声を拾う
- 一つの部署に絞って丁寧に描写する(例:製造現場だけ)
- 専門用語を避け、生活者視点で語る
など、「語りすぎない」ことでリアリティを引き立たせます。
利用シーンは“入口”に注目する
動画はどこで誰に見られるかによって、印象が変わります。
共通動画でも、導線を工夫するだけで効果は大きく変わります。
- 採用:求人ページや説明会、エントリー直前のリマインドメールに添付
- 営業:初回商談前、問い合わせ返信時、提案資料の補足リンクとして添付
このように、「接点の最初」に動画を見せると、言葉では伝えにくい安心感や空気感が先に届きます。
二刀流動画の落とし穴と対策
最後に、よくある失敗例と対策を押さえておきましょう。
- 会社紹介に終始し、誰に向けているかが曖昧
- “万能動画”を目指しすぎて焦点がぼやける
- 社員の演出が硬すぎて親しみが湧かない
対策
- 冒頭で「この動画は〇〇の方に向けて」と明示する
- 動画の長さは2分以内が基本。要素は絞る
- ナレーションより社員の素の声を重視する
1本で「誰にでも伝わる」時代へ
採用と営業の両方に活かせる“二刀流動画”は、企業のブランディング資産として、ますます価値を高めます。
すべてを伝えようとせず、見る人に「次の行動」を促す設計。その一本が、「企業の顔」として長く活躍してくれるはずです。