2025年 5月 の投稿一覧

ランディングページに動画を入れるメリット

ランディングページ(LP)への動画を導入することがあります。
理由の一つは、従来のテキスト中心のLPでは「情報過多」と「読み飛ばし」が起きやすいからです。
特にスマートフォンでの閲覧が主流となった今、ユーザーの滞在時間が短くなり、即時理解が求められる構造に変化しています。
動画は、短時間で商品やサービスの価値を直感的に伝える手段として、非常に相性が良いのです。

動画がもたらす効果とは?文章と画像では届かない領域

テキストや写真では伝えきれない“空気感”や“ニュアンス”は、動画の得意分野です。
以下の表をご覧ください。

情報伝達手段 訴求力 理解スピード 感情訴求の強さ
テキスト 遅い 弱い
画像
動画 早い 強い

特に、サービスの使い方、商品の利用シーン、スタッフの雰囲気などは動画で伝えると圧倒的に効果的です。
加えて、ユーザーは「無音でも意味が分かる動画」であればスクロールを止めやすくなります。

どこに・どんな動画を入れるべきか?配置と構成の考え方

動画を入れる位置は、「ファーストビュー直下」か「CVボタンの直前」が定番です。
前者は第一印象を強化する目的、後者は最後のひと押しに機能します。

また、動画のタイプは目的によって変える必要があります。

  • サービス紹介:30〜60秒で概要を伝えるモーショングラフィック
  • 商品使用例:リアルな利用風景を映した実写動画
  • お客様の声:短めのインタビュー編集
  • 会社紹介:採用にも転用できるコーポレート動画

「誰に、何を、どう伝えるか」を動画だけで完結させるのではなく、LPの流れに組み込む意識が重要です。

実際に使われている動画活用例(業種別)

  • SaaS系企業:機能説明をアニメーションで見せ、サポート体制も簡潔に伝える
  • 住宅・不動産:バーチャル内覧動画で物件の魅力を体験させる
  • 人材紹介・派遣:仕事紹介と同時に職場の雰囲気を伝える現場映像
  • 飲食・小売業:店舗の雰囲気や調理の様子を見せることで信頼につなげる

いずれも「文章で補足できない体験」を伝えている点が共通しています。

動画導入前に確認すべき注意点とチェックリスト

動画を入れる際に注意すべきポイントは以下の通りです:

  • 読み込み速度の低下を防ぐため、軽量化(MP4・WebM)を意識
  • 自動再生は音声なしで、ユーザーに操作権を与える構成に
  • 動画が「LP全体の流れ」を阻害していないかをチェック
  • スマホ表示時の最適化(縦長やレスポンシブ化)

特に「動画が目立ちすぎて他の要素を邪魔してしまう」という失敗も多いため、配置には戦略が必要です。

ランディングページに動画を取り入れることで、訴求力を高めることが可能になります。
特にユーザーの離脱が早い現代において、動画は「瞬時に理解されるためのツール」として有効です。
ただし、ただ入れるだけでは意味がなく、構成との一体感、目的に応じた内容、ページ全体とのバランスが求められます。
軽量化やスマホ最適化などの技術的な配慮も忘れず、成果を上げるLP設計を心がけましょう。

インフォグラフィックは古くない。データ重視時代の説得力

インフォグラフィックは一度、SNS投稿やプレゼン資料の定番として広まりました。以前との違いは「形式の進化」にあります。静止画中心だった表現は、今や動画やWebアニメーションに広がり、数字や図が“動きながら理解できる”という新たな役割を持ち始めています。

なぜインフォグラフィックが見直されているのか?

背景にあるのは、情報への信頼性の重視です。SNSや広告での“感情的アピール”が飽和する一方、ユーザーは「根拠となる数字」に敏感になっています。特にB to B領域では、信頼性ある情報を“ひと目で理解できる”表現が求められ、インフォグラフィックが評価されています。

要素 期待される効果
グラフの可視化 説得力と情報の伝達スピードの向上
データの整理 混乱を防ぎ、印象的に残す

動画×インフォグラフィックが生む説得力

インフォグラフィック動画とは、棒グラフや円グラフなどの要素がアニメーションで展開する解説型コンテンツです。営業資料やIR動画などで使われており、ナレーションと動きで視覚と聴覚に訴えながら、複雑なデータを直感的に理解させる効果があります。例えば「前年比120%の成長」も、数値だけでなく“伸びるグラフ”で見せることで、記憶に残りやすくなります。

静的な資料との比較で見える“差”

従来のPDF資料やプレゼンでは、静止画のグラフが中心でした。しかし、視聴者はスライドを“流し見”する傾向があります。対して、アニメーション化されたインフォグラフィックでは、動きがあるため注意が引きつけられ、「どこを見ればいいか」が明確になります。とくにリモート商談が増えた今、動画での訴求力は無視できません。

今後の展開と制作のポイント

今後の動画マーケティングでは、「ビジュアル+データ」の融合が鍵になります。図解はシンプルに、動きはゆっくりと。ナレーションと合わせて「なぜこの数字が重要なのか」まで語れる設計が理想です。また、テンプレートではなく、その企業のトーンに合ったカラーや図の構成が求められています。

情報の信頼性が重視される今だからこそ、“数字で伝える力”が求められているからです。とくに動画との掛け合わせにより、静的な資料では伝えきれなかった説得力が加わり、商談やプレゼン、広告の場で有効に機能します。見た目の派手さではなく、“納得させる力”としてのインフォグラフィックは、今後の映像表現の中心の一つになるかもしれません。

地元密着型に効く“通勤路紹介動画”という提案

企業紹介動画といえば、社長メッセージ、オフィスツアー、事業内容の紹介…。そんな定番構成に慣れた今、あえて通勤路だけを映した動画があります。
単に駅から歩くだけ、街角を曲がるだけの映像ですが、そこに社風や働き方の空気感が自然と表れるのです。なぜなら、「働く場所の周辺環境」は、社員の時間の半分以上に関わってくるから。
会社を取り巻く「風景」は、数字では表せない価値を持っています。

「その街に通う」ことの意味を伝える採用戦略

採用動画のゴールは、「ここで働きたい」と思わせること。
実はその感情の大部分は、「仕事の内容」よりも「日々の過ごし方」によって形成されます。通勤路紹介動画は、「職場の前にあるパン屋の香り」「曲がり角で交わす地元の挨拶」など、小さなエピソードの積み重ねを通して、暮らしと仕事が地続きであることを伝えます。
地元志向の強い求職者には、特に響くコンテンツです。

撮影のポイント:「風景」を主人公にする

演出過多な動画は、かえって逆効果。通勤路紹介動画に必要なのは、派手な編集やBGMではありません。
・スマホ目線で歩く
・街の音を拾う(電車の発車音、鳥のさえずり)
・過剰に社員を映さない
このような静かな演出が、「いつもの街の空気」を切り取ります。ナレーションは日常語で十分。「ここを毎朝通って、今日も1日が始まります」――それだけで、十分伝わります。

地方企業・中小企業にこそ向いている理由

大企業ほどブランドが強くない中小企業にとって、「立地」や「街の雰囲気」は大きな差別化要素になります。
特に、都市部ではなく地方にある企業では、「わざわざ働きに行く価値」をどう見せるかが重要になります。
そのため、「この街で働けること自体が魅力である」と感じさせる動画の意義は非常に高いのです。

以下は、地方企業が伝えるべき通勤路要素の例です

要素 伝えられる価値
通勤時の風景 季節感・自然との距離感
地元の店や人 地域とのつながり
交通手段 アクセスの良さ・働きやすさ

SNS時代との相性:長尺ではなく“歩き出す15秒”で十分

通勤路動画は、1分も要りません。最も伝わるのは、駅から会社まで歩き始める「最初の15秒」。
SNSではその短尺こそが再生され、繰り返し見られるフックになります。
たとえば、「月曜の朝、少し肌寒い空気を吸いながら駅を出る」といった情景に、心が動く人もいます。感情ではなく、感覚に訴える素材として、静かながら力を持つのです。

企業の個性や価値観を「日常の風景」で伝える。それが、通勤路紹介動画の最大の意義です。とくに地域に根ざした企業ほど、このアプローチは相性が良く、過度な演出をせずとも“働く実感”を伝えられます。
採用動画における差別化が難しくなっている今だからこそ、「毎日の通勤」という当たり前の時間に焦点を当ててみてはいかがでしょうか。

成果よりも“続けた痕跡”が響く|「#今日の一歩」動画が生んだ信頼のかたち

SNS上には、目を奪う成功事例や劇的なビフォーアフターが溢れています。
しかし、現実の仕事はその多くが地道な積み重ね。日々の努力や挑戦が可視化されにくいからこそ、「この会社は本当に動いているのか?」という疑念すら生まれかねません。

そこで、“プロセスを切り取って見せる”発信です。結果ではなく進行中の姿。完成形ではなく途中経過。こうした「動き続けている証拠」が、じわじわと信頼につながっていきます。

「#今日の一歩」という企業発信の新しい単位

1日の進捗や小さな気づきを15秒程度の動画にまとめて、SNSに「#今日の一歩」として毎日投稿するという取り組み。
たとえば「新しい機材の初期設定が完了」「営業資料の一部をアップデート」など、成果とは言えないが、たしかに進んでいる様子を動画で見せるのです。

特徴は以下の3つ

項目 内容
動画時間 10~15秒程度
投稿内容 当日の進捗、小さな改善、学びなど
表現スタイル テロップ+BGM(語りなし)

続けるほどに、「この会社、ちゃんと動いてるな」という“蓄積”が可視化されていきます。

なぜ小さな一歩が信頼につながるのか?

人は「自分ごとに引き寄せられる」傾向があります。
大きな成果よりも、「わかる、その地味さ」「うちの会社もこういう日あるよな」と共感できる瞬間のほうが、記憶に残るのです。

また、動画という形を取ることで、「実際にその日、その場所で、誰かが動いていた」という“確かさ”も伝わります。文章では曖昧になりがちな現場感が、動画なら一目で伝わるのです。

続けるための工夫は「ルール化」と「軽量設計」

毎日投稿するには継続可能な設計が必要です。そこで、以下のようなルールを決めればいいでしょう。

  • 撮影・編集は1人の担当者が15分以内で完結
  • 毎週月曜に5日分の素材を撮りためる
  • 編集テンプレートを用意し、構成を固定化

これにより、負担を最小限にしながら“続けること”を最優先に据えた運用が可能になりました。

成果は追わない。でも信頼は残る

このSNS動画実験には「いいね数を追わない」なくていいでしょう。
KPIは「社外の誰かが、その会社の“動き”を知ること」。
結果的に、「SNS経由での採用応募」「取引先からの共感メッセージ」など、副次的な反応が少しずつ生まれるでしょう。

つまり、成果は後からついてくる。
最初から成果を求めるのではなく、「動いている会社」という印象を積み重ねることが、真のブランディングにつながるのです。

いま求められているのは、劇的な成果ではなく、“動いている証拠”です。

15秒の「#今日の一歩」動画という試みは、小さな進捗でも発信を続けることで、企業への信頼を少しずつ積み上げていきます。
SNSを使った企業動画の形も、「見栄え」ではなく「積み重ね」にシフトしています。派手ではない。でも、見る人にはしっかり伝わる。そんな地道な実験こそ、いまの時代に最もフィットした動画戦略かもしれません。

実績紹介はいらない?動画に必要なのは“迷った理由”だった

これまで多くの企業動画は「成果」や「実績紹介」にフォーカスしてきました。製品の導入数、顧客満足度、受賞歴など、定量的な成果は信頼性を高めるために欠かせない要素とされてきました。しかし、視聴者がそれに「共感」しているかと問えば、答えはNOかもしれません。近年は数字ではなく、その裏側にある“なぜそれをやったか”“どう迷い、どう決めたか”といった「背景」に価値を見出す視聴スタイルへとシフトしています。

「語る勇気」が共感を生む

このような変化の背景には、SNSやYouTubeなどでの“等身大の発信”文化があります。たとえば、企画がうまくいかなかった理由や、チーム内で意見が割れた葛藤などをあえてオープンに語る姿勢に、視聴者は親近感を覚えます。「完璧」な成果よりも、「不完全」なプロセスの中に自分を重ねられるポイントがあるためです。こうした姿勢を映像で表現するには、“失敗や迷いも含めて語る場”を設けることが重要です。

「背景だけ語る動画」は何を映すか?

では、“背景だけ”を語る動画はどのように構成すべきでしょうか?成果物やプロジェクトの最終結果を映さないという前提で考えると、以下のような要素が中心になります。

映像構成要素 内容例
座談会形式 社員同士で、当時の本音や迷いを語る
メモやホワイトボード 実際の議論で使われた思考の痕跡を映す
オフショット 会議前後や休憩時間のやりとりなど自然なやりとり

これらはすべて、視聴者が「これは作られたものではない」と感じる空気を生み出します。

 “座談会形式”の可能性と工夫

特におすすめなのは、社員による座談会形式の動画です。ただ座って話すだけでは退屈に見える可能性もあるため、「テーマの切り方」や「編集の緩急」が鍵となります。

例:

  • 「あのとき、一番悩んだポイントは?」
  • 「実は反対していたけど、なぜ今は納得しているのか?」

こうした問いかけがあると、発言が深まり、視聴者も思考のプロセスを追体験できます。なお、BGMは控えめにし、間の「沈黙」や言葉に詰まる瞬間もカットせずに残すことで、リアルな空気感を醸し出せます。

どんな企業が向いてるか?

このような「背景にフォーカスした動画」は、特に以下のような企業に適しています。

  • 採用強化を狙うベンチャー企業(組織の価値観を重視)
  • ブランディングを重視する中堅企業(思想や哲学を伝えたい)
  • 顧客との関係性を深めたいBtoB企業(表層的でない理解が必要)

これらの企業では、数字以上に「考え方」や「文化」が選ばれる理由になります。

成果や実績を強調する動画は、これからの時代では“刺さりにくい”傾向が出ています。代わりに注目されているのが、「なぜやったか」「どう考え、どう迷ったか」を丁寧に語る映像。とくに社員同士の座談会形式で、当時の気持ちや判断の背景を共有する動画は、共感や理解を深める手段として有効です。数字で測れない企業の“温度”を、視聴者にそのまま届けてみませんか?

二代目企業のための“継ぐ想い”を形にする動画

創業者の強烈リーダーシップや理念に支えられていた企業が、代替わりすると“何を語るべきか”迷いがちです。
特に動画となると、カメラの前で話す人物の説得力や表情が大きく影響するため、創業者不在の企業では「誰を出せばいいか分からない」という声が多く聞かれます。

これは決して「語れる人がいない」のではなく、「語り方の軸を見失っている」状態。
重要なのは、“先代が築いた価値をどう受け継ぎ、何を現代の言葉で伝え直すか”という再解釈です。

 “人”を見せるのではなく、“姿勢”を見せる

創業者が登場しないからこそ、主役は“企業としての振る舞い”になります。
動画では社長や役員のインタビューだけでなく、日常の仕事風景や、社員同士の関係性、地域とのつながりなどに注目すると、企業が持つ空気感や文化が浮き彫りになります。

特に以下のような視点が効果的です:

視点 映像での表現方法
継承の意識 旧工場の一部を残している、昔の看板など
地域との関係性 地元イベントや祭りに参加している様子
日常のリアルさ 朝礼や掃除の様子など、飾らない日常

こうした要素が積み重なることで、“この会社は地に足がついている”という印象が自然と生まれます。

伝統と革新を分断せずに並列で見せる

多くの企業動画では「過去の紹介→未来への展望」という時間軸で構成されがちですが、代替わり企業では“伝統と革新を同時に語る”ことがポイントになります。

たとえば、創業当時から守っている製造工程と、現在取り入れているDX(デジタル化)の取り組みを交互に見せる構成にすると、“守るべきものと変えるべきもの”のバランスが視覚的にも伝わります。

「個人の思い」ではなく「共同体の継承感」を重視する

創業者がいない動画で陥りがちなのが、「現社長の自己紹介動画」になってしまうこと。
これでは社内向けには通じても、外部には響きません。

重要なのは、“会社としての総意”や“共同体としての想い”を拾い上げること。
複数の社員の声や、家族経営であれば親族の思い出などをつなぐことで、「一人ではなく、皆で受け継いでいる」という印象を与えることができます。

「熱量」よりも「地道な信頼感」で心を動かす

創業者のように強いパーソナリティを持たない場合は、感情的な演出に頼らず、「地に足のついた安心感」で魅せる動画を目指しましょう。
派手なBGMやカット割りではなく、丁寧なナレーションと、ゆったりとした編集テンポが効果的です。

特に、工場・作業現場・地域との関係性など、言葉にしづらい「誠実さ」がにじみ出る映像素材があれば、無理に演出せずとも伝わる動画になります。

代替わりした企業は、個人の熱量よりも、企業としての“積み重ね”や“信頼感”を可視化することで、見る人の心に響く動画を制作できます。
飾らず、派手さも必要ありません。むしろ、真摯に続けてきた歴史の断片を一つひとつ拾い集めていくことが、最も強いメッセージになるのです。

「この会社っぽさ」が伝わる企業文化紹介動画の効果

かつての企業紹介動画といえば、沿革、事業内容、施設紹介などが定番でした。しかし、「それだけでは人が動かない」傾向が顕著になってきました。特に採用活動では、学生や転職希望者が求めているのは“その会社で自分が働くイメージが持てるかどうか”。数字や制度よりも「その場にいる感覚」が伝わるかが重要視されるようになっています。

▼下記のようなギャップがニーズの変化を物語っています

従来の動画ニーズ 現在の動画ニーズ
事業規模の紹介 社員の雰囲気
福利厚生の説明 日常会話のテンポ
役員メッセージ 新人と先輩のやりとり

文化紹介とは何か?「空気感」をどう捉えるか

文化紹介とは、制度や言葉では伝えきれない企業の日常的な空気を、映像で掘り下げていく表現手法です。たとえば、以下のような要素が“文化”として映像に落とし込まれます。

  • 雑談のトーン
  • 休憩中の過ごし方
  • 社内チャットの使い方
  • オフィスの音や光の雰囲気

これらは、数字では可視化しづらい“価値観の共有度”や“距離感の近さ”を映し出す材料になります。文化紹介動画とは、その会社に流れる空気を可視化するツールなのです。

60秒で伝える「この会社っぽさ」動画のつくり方

短時間で空気感を伝えるには、演出過多な表現は不要です。むしろ、淡々としたリアリティこそが視聴者の共感を生みます。以下のような素材を繋いだ60秒の「価値観PV」が効果的です。

  • 朝の出社風景(挨拶の有無、服装など)
  • ちょっとしたランチタイムの様子
  • 会議後に席で語る後輩と先輩
  • 仕事終わりの雑談

映像には、BGMを入れずに“素の音”を活かすのもポイントです。過度な演出よりも、曖昧な空気をそのまま切り取る方が、今の視聴者には響きます。

なぜこの文化紹介が「営業活動」にも効果的なのか

文化紹介動画は、採用だけでなく営業や提案活動でも強力な武器になります。取引先企業も「誰と仕事をするか」を重視しており、動画を通して社内の雰囲気が伝われば、信頼構築のスピードが上がります。

特に、リモートが当たり前となった今、会う前に“人となり”が見える映像は、関係づくりの前提を変えてくれます。

文化紹介動画を社内でどう活用するか

社外向けだけでなく、社内でのカルチャー浸透にも活用できます。特に中途入社やリモートワーカーにとって、最初に“社風”を感じられる映像は、オンボーディングのスムーズさを格段に上げます。

また、定期的に動画を更新することで、企業としての「変化」や「多様性」を記録し、未来の人材にも価値ある資料となるでしょう。

制度や数字よりも、社員同士の“距離感”が見える動画が求められる時代。文化紹介動画は、採用だけでなく営業や社内浸透にも効果を発揮する新たな映像活用の切り札です。形式的な「会社紹介」を一歩先へ進めるためにも、60秒で「この会社らしさ」を表現する文化紹介動画を、ぜひ検討してみてください。

匂い・温度・触感まで伝える?「感覚に訴える動画」

ユーザーが商品やサービスを「体験ベース」で選ぶ時代において、映像は単なる情報伝達手段ではなく、印象を左右する体験そのものです。特にサウナや飲食、医療、美容など“感覚価値”が求められる分野では、視覚だけに頼らず、温度や匂い、触感といった「五感への連想」をどう引き出すかが、動画制作におけるカギとなっています。

伝わりにくい「匂い・温度・触感」を動画で伝える工夫

匂いや触感は直接は伝えられませんが、「連想」させることは可能です。たとえば、湯気が立ち上る様子や肌にあたる蒸気の粒をスローモーションで見せることで、温かさや湿度が感じられます。また、手で氷を握る瞬間や、絹ごし豆腐をつかむときの“ふるふる感”を音と動きで見せれば、触感まで想起させることができます。

サウナ・飲食・医療業界における感覚動画の可能性

サウナ施設では、室内の空気感や“ととのう瞬間”を映像で伝える取り組みが始まっています。ロウリュの音や蒸気、外気浴中の風の揺れは、「その場にいるかのような感覚」を生み出します。
飲食業界では、料理を“食べる直前”までの一連の動作や、箸で割ったときの音など、視聴者が“味を想像する要素”に力を入れています。医療分野では、不安を和らげるために「手の温もり」「空間の柔らかさ」を伝えるような動画のニーズが高まっています。

「感覚拡張」のための映像技術と編集アプローチ

技術 伝えたい感覚 実装例
スローモーション 湿度・温度 湯気の動き、汗が流れる瞬間
マクロ撮影 触感 食材のきめ細かさ、皮膚の柔らかさ
高音質マイク録音 音触感 火のはぜる音、包丁が切れる音
色調調整 温冷感 温色(赤系)で温かさ、寒色(青系)で冷たさを演出

単に映像技術を使うだけでなく、「どの感覚を喚起したいのか」を明確にし、それに最適なカットや演出を選ぶことが重要です。

感覚を“予測させる”ことで伝わる、新しい動画体験

結局のところ、視聴者の中で感覚が“発生”するかどうかは、想像を刺激できるかにかかっています。たとえば、サウナで水風呂に入る前の「一瞬のためらい」を見せれば、冷たさが伝わることがあります。動画はあくまで「引き金」であり、見る人の記憶や経験と結びついた瞬間に、五感が動き出すのです。

匂いや温度、触感といった感覚情報を動画で伝えることは一見難しく思えますが、視覚・聴覚を巧みに組み合わせ、見る人の想像を誘う工夫次第で可能になります。特にサウナや飲食、医療といった業界では、感覚価値こそが差別化のカギ。テクニックだけでなく「何を感じてほしいか」という意図を明確に持つことが、感覚動画の成功のポイントです。

リクルートサイトに効果的な動画構成3選とは?

採用活動のオンライン化が進む中、リクルートサイトに動画を組み込む企業が増えています。とはいえ、「どんな構成で作ればいいのか分からない」という担当者も多いのではないでしょうか?
本記事では、応募者の心に届きやすく、離脱を防ぐための「動画構成パターン」を3つに絞ってご紹介します。

なぜ今、リクルートサイトに動画が必要なのか

テキストや写真だけの採用情報では、職場の雰囲気や働く人の印象まで伝えることが難しくなってきています。特にZ世代を中心とした若手層は、視覚的な情報に慣れており、動画から得られる“リアルな空気感”を重視します。採用のファーストインプレッションを動画で補うことは、志望度を高める第一歩です。

構成① 社長挨拶+ビジョン紹介型

まず定番は「社長のメッセージ」から始まる構成です。企業の未来像や、なぜこの仕事をやっているのかという“根っこ”を語ることで、応募者の共感を引き出します。

  • 【冒頭】企業理念・ビジョン(30秒〜1分)
  • 【中盤】社長インタビュー(1〜2分)
  • 【結末】応募者へのメッセージ(30秒)

※注意点:抽象的な言葉ばかりだと響きません。具体例を添えて語ることで、印象に残りやすくなります。

構成② 若手社員の1日密着型

応募者が最も気になるのは「実際にどんな人が、どんな環境で働いているのか」。その疑問に応えるのが「1日密着」型動画です。

  • 【朝】出社〜仕事準備の様子
  • 【昼】ミーティングや業務シーン
  • 【夕】帰宅前のコメント・感想

リアルなテンポで構成することで、応募者が自分を重ねやすくなります。BGMよりも自然な環境音を活かすと“演出感”を抑えられ、信頼につながります。

構成③ 福利厚生・制度紹介型

働く環境の安心感を伝えるには、制度や福利厚生の紹介も効果的です。住宅手当や育児支援、社内イベントなどを、視覚的にテンポよく紹介することで、企業の魅力を伝えやすくなります。

  • アニメーションで制度を図解
  • 担当者インタビュー+制度活用者の声
  • 具体的な数字や比較グラフを挿入

制度の“顔”が見えることで、「この会社なら長く働けそう」と感じるきっかけになります。

動画導入時の注意点と改善のコツ

採用動画の失敗で多いのは、「詰め込みすぎ」と「時間が長すぎる」ことです。リクルートサイトでは、1本あたり2〜3分以内にまとめるのが基本です。

また、どの構成においても以下を意識しましょう。

  • 初めの5秒で興味を引く導入を入れる
  • テロップは“音なし”視聴を想定
  • 複数構成を組み合わせて1ページに掲載も◎

採用動画は、「人を引き寄せるコンテンツ」に変化しつつあります。以下の3構成を参考に、自社に合った動画を検討してみてください。

  • 社長メッセージ型(理念や想いを伝える)
  • 社員密着型(リアルな働き方を見せる)
  • 制度紹介型(安心できる環境を見せる)

動画は、求職者に“選ばれる理由”をつくるためのツールです。リクルートサイトの魅力を高めるためにも、構成と目的を明確にして制作に臨みましょう。

特別じゃないから惹かれる。日常動画が共感を生む理由

かつて動画の主役は「驚き」や「感動」でした。しかし今、SNSで再生数を稼いでいるのは、むしろ“何気ない日常”を切り取った動画です。たとえば、ただ料理を作る様子や猫が寝ているだけの動画。そこに起承転結はありません。視聴者は今、刺激よりも「そこにある空気感」を求めているのです。

情報過多な社会が生んだ「静かな視聴ニーズ」

スマホを開けばニュース、広告、エンタメが大量に流れ込んできます。1日で触れる情報量は、江戸時代の人の一生分とも言われる時代。そんな環境に疲れた人々が、ほっとひと息つけるのが「動きすぎない動画」です。感情を揺さぶられない、でも目が離せない。そうした静かな動画が“癒やし”として受け入れられています。

「日常の動画」が与える親密感と信頼

日常動画の強みは、視聴者との距離感です。たとえば、台所で湯気が上がるだけのカットに、温度や生活の匂いが感じられます。これは「自分の生活」と地続きであるという感覚を呼び起こします。商品紹介や企業PRでも、こうした“特別じゃない映像”を意図的に差し込むことで、押しつけ感のない伝わり方が可能になります。

コンテンツ制作は“非演出”も武器になる

企業動画やプロモーションというと、どうしても「派手」「目立つ」方向に寄りがちです。しかし今の時代、それが逆効果になるケースもあります。あえて“演出をしない”動画。社員の何気ない仕事風景や、オフィスの朝の風景などが、かえってブランドの素朴さや安心感を伝えます。「なにげない」は、強い。今、コンテンツ制作で見直されるべき視点です。

「何も起きない動画」がバズる背景には、情報疲れと親密さへの欲求があります。視聴者はドラマより、生活の延長にあるものに惹かれ、共感を寄せています。企業としては、あえて演出を抑えた映像で、人間らしさやリアルを映すことが、ブランドの信頼構築につながる時代。湯気が立ちのぼるだけのシーンにも、人は意味を感じる。動画の本質が、静かに変わり始めています。